発達障害 進路について

発達障害のお子様をお持ちの親御様の多くが、自身のお子様の中学校以降の

進路について悩まれていらっしゃいます。

ねこ屋においても、現状のお子様の問題よりも今後どうしたらよいのかという

相談が多数寄せられています。

 

ねこ屋では発達障害不登校といったお子様の問題を中心に取り扱っていますが、

どういったお子様に対しても、早期に進路に対しての検討模索をしていただく

ことをお話しています。

 

その理由としては、

まず第一に逸早く問題に取り組んでおくことで実際に決断する際に、選択の幅を

拡げることができるからです。

例えば、療育手帳を所持していて支援学校に行くと漠然と思っていたとしても、

中学校の三年間で、学習や生活に対しての成長、障害の緩和が見られると

ギリギリになって違う学校や就職、やりたいことが出来てしまうかもしれません。

三年間という年月は、お子様にとって大人とは違った急成長を遂げるのには十分

時間です。

中学校で部活や今までとは違った知り合い、友人との触れ合いの中で、

挑戦意欲が芽生え、親御様や先生方の支援によって出来なかったことが出来るように

なったとしても、そこから環境を整え、進路変更を行うのは発達障害のお子様にとって

負担になってしまいます。

勿論それは、お子様にとってだけではなく、親御様や学校にとっても負担でしか

ありません。

そのため、多くの中学校が入学と同時に進路希望の確認をしたり、一年生の内に、

近隣の支援学校や養護学校などの見学、説明会への参加を勧めています。

 

二つ目の理由としては、

お子様自身が意欲をもって中学校生活を送るためです。

お子様自身が中学に入学して早いうちに、ご自身の将来を考え、目標をもつかもた

ないかで、学習においても学校生活においても、課外活動においても成果が随分

異なってくるのです。

発達障害をお持ちの方々は苦手なことがあったとしても、決して何も出来ない駄目な

人間ではありません。

たくさんの物事を考えているし、人一倍優しい気持ちをもっているし、類まれな才能

を持ち合わせていることだって大いにあります。

それらの感情をないがしろにせず刺激してあげることが支援においては重要で、

その一つがお子様ご自身の意欲を引き出すことなのです。

 

三つ目の理由は、

いざ進路を目指す段になった時に、必要とされるスキルが異なるためです。

支援学校や養護学校では、療育手帳の所持の有無や日常生活の支障の度合いに観点

が置かれ、親御様同伴の面接が入学試験に設定されています。

また支援が行える通信制のサポート校や私立学校、インクルーシブを取り入れた高校、

専修学校などでは、学校毎にそれぞれ、面接、作文、基礎学力テスト、事前の体験授業の

受講の有無によって入学試験が行われます。

そして、通常の公立高校、私立高校では、内申と学力テスト、面接、作文などにより入学

試験が行われますが、現在の親御様世代が経験した高校受験とは、ほとんどの中学校が

二期制を取り入れているために昔とは異なっています。

そして、ほとんどの発達障害をお持ちのお子様が、小学校卒業時点において、上記の中で

目指せる範囲が一つあるかないかといった状況です。

ですから、中学三年の結果から進路先を選ぶのではなく、三年間をつかって進路先に合わせた

スキルを身に付けるための支援を行っていくほうが、効率的ですし、不合格という最大の

ダメージを回避することに繋がります。

 

 

では次に、この早期進路対策を行うにはいつが適切かというと、

ねこ屋では小学校四年生以降と考えています。

勿論、小学校を卒業してから考えても駄目ということではなく、

小学校高学年に差し掛かった時点から対策を行ったほうが準備に

時間をとることが出来、いざ差し迫った時に苦労が緩和されると

いう意味です。

また、小学校四年生というと、その時点でそんなこと考えられない

と思われる方も多くいらっしゃると思います。

けれど、早期の進路対策は決して進路先を選ぶことのみではないと

わたしは考えます。

交通機関を使っての移動練習

親御様が貯蓄のために仕事を始めること

学習の遅れを少しでも取り戻すために塾に通い始めること

放課後等デイサービスなどの支援先を変更すること

これら全てが進路対策になるものです。

 

受験や就職で指導をする時にわたしが気をつけていることの一つ

として、相手先がどんな人材を欲するかということを考えるよう

にしています。

最低限自分で行き帰りが出来ること、受かりたいという強い気持ち

があること、入ってから明確にやりたいことがあるかどうか。

よく「高校に入ったら勉強を頑張りたいです」と言ってしまうお子様

を見かけますが「高校に入ったら定期テストで60点以上をキープしていきます

といったような具体性があり、確定された未来であるという風な言い方をする

かどうかで合格率に差が出ます。

それは、受け取り手が本気度を推し量る指針になるのではないかと思います。

でも、こういった言葉のニュアンス、言い回しを使いこなすのは難しいこと

なので、時間をかけて考え方から練習していく時間が必要になります。

 

それに、もう一つ小学四年生から進路対策をすることのメリットとして、

中学入学時点で受験をすることも可能になる場合もあります。

その時点で中高一貫校などに入学出来てしまえば、小学校同様六年間を

使ってゆっくりその先を考えることが出来る余裕が出来る上、小学生の時に

受験勉強を始めておくと確実に発達の速度が変わります。

 

最後に、どうしてこの記事を書こうかと思ったきっかけの話にもなるのですが、

現在受験シーズン真っ只中のこの時期になり、親御様方の進路に対する不安が

大きくなっていることもありますが、発達障害のお子様の進路を親御様が決定

することが非常に多いということを目の当たりにしたからというのが一番大きな

理由です。

あくまでも、進路はご本人が決めることだとわたしは思います。

親御様がこれから80年近くお子様にぴったりとくっついて、学校にもついて行って

何から何まで決めていくということなのであれば、構わないと思います。

けれど、進学、就職、結婚、出産、転居・・・・・・人生の岐路はこれから山程存在します。

中学から高校へ向けての進路はその第一歩目となります。

先々のことを考えれば、挑戦の機を逸してしまってはいけないと思います。

そのために、親御様や指導者、支援者がやるべきことは環境を整えることだけです。

どうか、一人でも多くのお子様が自分の意思で歩みだし、夢をもって生きていくことが

できるようにと願っています。

 

2020年1月  決意と願いを込めて