小、中学生の夏休みも残すところあと一週間

夏休みの宿題がまだ残っているというお子様も

いらっしゃることと思います。

我が子の宿題指導に苦労されている親御様も

多いのではないでしょうか。

今回のブログでは夏休みの宿題や課題で

親御様の頭を悩ませることの多い

作文の指導方法をご紹介します。

 

作文が苦手というお子様は多いと思います。

何を書いていいかわからない

指定枚数書けない

こういった言葉もよく聞かれます。

わたしが作文指導を行うときには、

まずはそういった苦手意識を軽減するところ

から始めます。

漫画のレビューを書いてみる、や

昔話をつくってみる、や

テーマパークの旅のしおりを作ってみる

などなど、子どもそれぞれの性格好みに沿って

色んなものを何回も書くことで、

苦手意識が抜け、作文が書けるようになっていきます。

 

公立中高一貫高校受験で作文があるというお子様に

お勧めな指導法なので、もし受験が控えていて作文が

ネックになっている方は是非試してみてください。

 

ただ、夏休みの宿題となると、そんな長期にわたって

演習することもできないでしょう。

なので、短期でもっと簡単に出来る指導法もお伝えします。

 

作文を書くにあたって一番大切なものは構成メモです。

最近では、夏休みの作文の宿題に構成メモ用のプリントを

つけてくれる先生もいらっしゃいます。

もし、そういったプリントがないからといって、いきなり

直接作文用紙に記載することは絶対NGです!

何故なら、誰しも一回書いたものを消してもう一度

最初から書くということは勇気のいる作業ですから。

直接書いた後、文字数が足りない誤字脱字

文法がおかしかったり作文用紙の使用法を間違えたり

そういったことが起こると書き直しになってしまいます。

PCでも面倒な作業を手書きともなれば、

全て消した時点でやる気は低下し、苦手意識芽生えます。

ですので、構成メモをしっかりと書くことが作文をに、

きちんと仕上げるための一番近道になるんです。

 

それでは、構成メモの書き方についてです。

構成メモは何も書いていない真っ白な紙で構いません。

そして、構成メモを書く際にわたしが必ず言うことは、

汚い字で書きなさい。自分が読めればいいから」の一言

あまりにもたくさんの文字を書くのは苦痛なことですし、

汚くていいと言われることは新鮮な気持ちにもなるので、

必ずこの言葉を付け加えます。

後は、指導者となる親御様がアンケートのように質問をし、

お子様の回答をお子様ご本人がメモしていきます。

必要な時にはテーマに沿った内容をインターネットで調べ、

それらもメモしていきます。

そうして出来上がったメモに順番を付け文体を揃えて

メモの文章を繋げていくかたちで作文用紙に記載していきます。

これが一番簡単な作文の指導方法です。

 

ただ、大人でも作文を書くのは苦手という方も

いらっしゃると思います。

なので、夏休みの宿題で頻出される読書感想文を例に、

構成メモの作り方をもっと詳しく説明します。

 

読書感想文はまず本を読み終わっていることが前提です。

お子様が本を読み終わったら、「今思ってることは?

と訊きます。

その回答が「特に何もない」でも、「長くて面倒だった」でも

良いんです。これが本当の<感想>です。

次に「どんな話だった?」と訊きます。

ざっくりとした回答が返ってくると思います。

これが<あらすじ>です。

それから「一番印象に残った場面は?」と訊きます。

これは、口頭で答えてもらうのではなく、実際に本を開き、

ページをメモしてください。

更に「なんでその場面が印象に残ったの?」と訊きます。

漠然とした言葉でもいいので、これはお子様に考えてもらいましょう。

そして、ここが一番難しいところですが

本の中の出来事で自分もそうだなぁと思ったことはある?

と訊いてください。

登場人物と同じことを考えたことがあるや、

登場人物と自分との共通点、など

似たような<経験や体験>を引き出してあげてください。

最後に、一番初めの感想に対して次はどうしようか?

と訊いてください。

もし、「特に何もない」と答えた子でも「次は?」と

訊かれれば「次はもっと面白いものを読みたい」や、

「次は主人公の気持ちになって読みたい」などなどの

質疑応答を重ねる内に改めての感想が出てきたりします。

これが<まとめ>になります。

 

これで構成メモが完成です。

①<感想(ファーストインプレッション)>
②<本の題名><作者><あらすじ>
③<印象に残った場面><印象に残った理由>
④<経験や体験>
⑤<まとめ>

この順番でメモの内容を繋げていきましょう。

注意するのは、ページを抜き出した部分を要約して

書くことです。

また、上記の状態だと5段落の文章になります。

構成にはじめ・なか・おわりなど指定があれば、

②③→④→①⑤や①→②③→⑤、

といった風に指定に沿って組み替えて書きましょう。

この構成メモで出来る作文は大体三枚から四枚です。

 

さて、本当に簡単にではありますが、

作文の指導方法について説明して参りました。

この作文の指導方法は、他にも面接への対策

小論文レポート作成などにも活用出来ます。

けれど、何をするにあたっても一番重要なのは、

お子様本人の中から出てきた言葉で完成させる

ということです。

よく間違えて、「次にこれこれ書いて」と

ほぼ代筆してしまう方がいらっしゃいますが、

それをしてしまうと達成感を得ることは出来ず、

ずっと苦手なままになってしまいます。

 

どんな人間も《言葉》と《想い》を抱えています。

それを上手に表現できる人もいればできない人もいます。

この先の人生で《言葉》や《想い》を表現できるよう、

その練習だと思って作文を書いてみてください。