第27回全国競技かるた大会に参加して参りました!

 

わたしも一緒に参加したのですが、

発達障害のお子様にとっては、

個人で何かの大会に参加することも、

親御様の付き添いなく一時間以上の移動が必要な場所に、

自分の意思で選んで行くという事も、

初めての経験でした。

 

全国で台風19号の被害に遭った方が多くいる中、

不謹慎に感じるかもしれませんが、

ねこ屋のある神奈川県も少なからず台風の被害に遭ったものの、

どうにか参加に結び付けられたことがとても嬉しかったです。

 

今大会、小、中学生団体の部、初心者(F級)の部、シニアの部と

人数も非常に多く、大会初参加のねこ屋は解らない事ばかりで、

緊張や不安はとても大きいものでした。

けれども、都内で活動をおこなっている結びつくかるた会さんの方々や、

横浜市にある鶴見総合高校のかるた部さんの方々にもご協力をいただき、

二ヶ月間、出来る限りの練習をしてきました。

参加したお子様たちは、発達障害という生きづらさを抱えている中、

とても頑張り、よくついてきてくれました。

 

以前にもブログで紹介しましたが、

競技かるたは小倉百人一首の百枚の札を用いて行う競技です。

場にある50枚の札を15分という短い時間で憶えなくてはならないこと。

ただ憶えるだけではなく、そこに書かれた下の句から、

書かれていない上の句を想起し、連動させて記憶すること。

札が読まれた一文字目から二文字目で、全身を使って札を取ること。

試合時間約一時間の間、声を発せず立ち上がることもほとんど出来ず

同じ姿勢を維持しなくてはならないこと。

休憩時間が極端に短いこと。

競技である以上、必ず勝ち負けが発生すること。

大人でも非常に困難なこれだけのことを、

発達障害を抱えたお子様が成し遂げたことはとても素晴らしく

感動的でした。

 

また、今回の大会は四試合の勝敗数、枚数差で順位を決めるというものでした。

人数は全体で二百近く、その人間全員が体育館に敷かれた柔道畳の上に、

1メートル程の間隔で並び、全試合が一緒に進行するため札一枚の読まれる間隔が

長くて3分という過酷な状況。

負けても、落ち込む時間もなく、次の試合。

しかも少しでも足並みを乱すことをすれば、選手全員、周りを囲む審判、

観客席の多くの人間の視線を集める。

想定以上の負荷がありました。

 

今回ねこ屋から参加したお子様たちは、

全員発達障害を抱えています。

特性はそれぞれですが、ほとんどのお子様に共通しているのは、

コミュニケーションの不得手

勝敗に対する執着

多動性

体力の無さ

感情の振れ幅の激しさ

不安感の強さなどがあります。

勿論、競技かるたをやることでそれらが全て克服できたわけではありません。

これから先の人生において、学校、仕事といった日常生活において、

発達障害が原因となる苦労をすることはきっとあると思います。

それでも、夢中になって、限界を超えて挑んだ経験は、

人生を生きぬく標になるはずです。

 

発達障害を抱えて苦労している大人の方、

発達障害のお子様をもった親御様、

学校機関等の指導者、

医療機関の医師、

療育施設等の支援者。

発達障害に対して何をするべきなのか、どうするのが良いのか。

それぞれの考え方があり、論争が行われています。

発達障害の症状を緩和するのか、それとも治療するのか、

特性を活かし生きる術を探すのか、隠して生きていくのか……。

わたしは、結局のところどれでも構わないと思っています。

正解なんてないと思っています。

相対したその方がどう思っているのか、どうしたいのか、

それに耳を傾け、発達障害があるかどうかなど関係なく、

出逢ったその方と、その周囲の方が幸せと感じられる方法を

探すことが一番だと思っています。

 

今回の大会はねこ屋にとってとても貴重な体験になりました。

参加したお子様たち、

ご協力いただいた方々、

背中を押してくれた親御様方、

本当にありがとうございました!!

 

結びつくかるた会

神奈川県立鶴見総合高校